「陽愛~!!」
元気よく私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
そちらへ目をやれば、やり遂げた表情の梨乃が私の方へ向かって走ってきていた。
汗で髪が額にへばりついている。
その隣には、体育祭実行委員会の玲央くんもいる。
「梨乃、お疲れ様!」
「粘ったんだけど3位だった~…!!」
笑って首を傾げる梨乃。
ばりばりのメイクで、いかにもギャルっぽい見た目なのに
いつも一生懸命で負けず嫌いな梨乃が、私は大好きだ。
「それでも周り全員陸上部なのに3位とかすげーよ!」
梨乃の肩をぽんぽん叩く玲央くん。
「そうだよ梨乃!!お疲れ様!!」
持っていたタオルを梨乃に渡せば、梨乃はそれを手に取り汗を拭った。
「次、なんの種目だっけ?」
「次は男子100mだね!」
私の言葉を聞いた梨乃は、こくんとうなずく。