「俺のために準備してくれてたんでしょ? その行為がもうかわいいから、いいよ」
「……っ」
なんで、そんな嬉しそうに、そんなこと言うかな……!!
恥ずかしくて、猫くんの顔見れないじゃない……!!
猫くんは、そんな私を見てくすっと笑った。
「でも、前髪ゴムで縛るのは変わらないんだね?」
「だって、落ち着かなくて……」
すると猫くんは、自分の手を自分の髪まで持って行く。
そして。
「ほら」
「……え?」
「俺のやるよ、まったく」
差し出されたのは、猫くんがいつも身につけているピンクのピンだった。
「あ、え、でも……こんなの、どうやってつけたらいいか……!!」
受け取ることができず、ただ慌てていると。
猫くんは呆れたようにため息をついた。
「ほら、じっとして」
「っ」