「……っ!?」


顔が離れても、ドキドキがおさまらなくて何も言えずにいた私に、猫くんはなおも続ける。


「1問教えるごとに、ちゅー1回」

「え」


な、なにそのペナルティーなのかそうじゃないのかわからない設定……!!

猫くんは、いたずらにニッと笑う。


「あんまり教えることになると、俺がガマンできなくなるかもねぇ…?」

「そんな意地悪ずるいよ、集中できない…」


猫くんが、私にすっと顔を近づけてくる。

……改めて見ると睫毛すっごい長い。

目もくりくりしてるし、髪も相変わらずサラサラだし。


何度見ても、見た目は私より女の子だ。

……けど。


「チャン陽愛、ペン止まってるけど」

「い、いま、考えてるんだよ……っ」

「ねえ、教えて欲しい?」


耳元で甘く囁かれ、ぎゅっと目を閉じた。