ゆっくりと隣を見れば。


「……!?」


さっきまで気持ちよさそうに突っ伏していたはずの猫くんが

いつの間にか私の方へと顔を向けていて。

その目はしっかりと開かれて、私をとらえていた。


「ね、ねこく……!?」


ど、どうしよう……っ!?

こんな時なんて言ったらいいの!?

そうか! とりあえず挨拶しなきゃだよね……!?


「お、おはよう!!」


いや、バカ、私。

さすがに笑顔引きつりすぎだし、意識してるのバレバレ。


……しかし、当の猫くんはというと。


「ん」


と、一言返事をしたかと思ったら、すぐに反対側にある窓の方を向いてしまった。