「こんちゃ!」

「え、ああ、あう、貴方...誰?」

「はぁ!?何言ってんの!武だよ!
た・け・る!」

そ、そんなわけ...

だって武くんが...てるてる坊主の
キーホルダーになるわけ...

「まぁ、確かに驚くよね...
ここからは真面目な話、よーく聞いてね」

教室で宙に浮いている
武くん?は私の側に近寄り
真剣な眼差しでこちらを見ている。
そう、見ている。
見ているんだけど。

「...ぶっ」

「あ!今笑った!今笑ったよね!?
何それ!?失礼じゃない!?」

「ごめん...だって...キーホルダーのくせに...
く、ふふ...あっははははは!!」

武くんは大笑いしている私を見て
赤面しながら怒って言った。

「い、いいか!?よく聞け!!
お前は魔法少女に選ばれたんだ!」

「...え?」

魔法少女...
それは私の夢であり憧れの存在...
それに私が...選ばれた!?

「え、今なんて...」

「だから、お前は魔法少女に
選ばれたんだよ!」

「う、そ...」

「ホントだよ!」

信じられなかった。
確かに魔法少女になりたいとは思ってた。
だけど実在するなんて...
しかも憧れだった魔法少女に
自分が選ばれたなんて...

「ゆ、め?なの?それに魔法少女なんて
存在するわけないじゃん!
もう、冗談言って...」

「冗談なわけないじゃん。
存在するわけないって言ったけど
現に俺という存在するわけないモノが
ここにいるじゃないか。」

「っ!?じゃ...じゃあほんとに?」

「だから、ホントだって」