ずっと、ずっと好きでした。


1〜4年生はトラック半周、5、6年生はトラック1週しなくちゃいけない。

「5年生にバトンが渡りました!」

そろそろあたしの番がくる。



「そろそろ6年生にバトンが渡ります。」

緊張する。


「──黄色、青…、赤、白の順でバトンが渡りました!」

今のところ3番。

走者はあたしの後ろにあと1人。

アンカーにせめて2位でバトンを渡したい。



…あと、半周…。

どんどん辛くなってくる。



同じ組の人たちがたくさんあたしの名前を呼んでるのが分かる。


「りほー、あとちょっと!」

はづきが叫んでくれてる。



「さっさと抜かせ、ばーか」

あおのイヤミも。







「りほ!頑張れ、いける!!」






ひかるの声援も、全部聞こえる。




あたしは最後の力を振り絞る。







「赤組、青組を抜かしそうです」

会場の声が大きくなる。





あと、少し…!

「赤組、青組を抜かしました!」







「とうとうアンカーにバトンが渡りました!黄色、赤、青、白の順です」



やっ、た…。


アンカー争いで抜いたり抜かしたり。

色々あって結果は…。



「結果を発表します。
1位、青組。2位、赤組。3位、黄組。4位、青組でした」



ただひたすらに、嬉しかった。