ずっと、ずっと好きでした。




2学期になってからあたしは、よくはづきさんと一緒にいるようになった。


ひーちゃんとはあれほど仲良かったのに、あたしがひーちゃんの席に行かなくなると、ひーちゃんからはあたしの席に来てくれない。

「なんでりほのとこに来てくれないの」

なんて言えない。

ひーちゃんを困らせるだけ。

だって、あたしだってなかなかひーちゃんのところに行っていないんだもん。

ひーちゃんとの『親友』の関係は、少しずつ崩れていった。




「りーほーさん、次家庭科だよ。家庭科室行こう」

あたしははづきさんと一緒に行く。



家庭科室の班は、生活班と同じ。

あたしは、はづきさんと、あおと、あと1人の男子と同じだった。




「りほさ、お前めっちゃ不器用じゃね?」

あたしがミシンを掛けているのを見て、あおが口を出す。

そりゃそーだ。

あたしの縫い跡は、すごい曲がって、くねくねしている。


「っ、うるっさいなぁ…」

なんて返しても、地味に傷ついてる。


「ほら、おれなんかこんな上手いし?」

そう言われてあおから見せてもらったものは、確かにあたしのよりも上手かった。

「り、りほのが頭いーし?」

「今頭脳は関係ありませーん」

「えっと…りほのが、りほのが…」

「りほよりおれのが器用なことを認めよーねー?」


あおと普通に話せてるのが嬉しかった。

1学期、少し気まずい感じで終わったのをあおは気にしてくれたんだろうか。




なーんて、あおはきっとあたしのことなんて考えてないんだろうけど。





「あおさんてめっちゃ優しくない?すごい一途で見てて面白い笑」

「あーもうほんとにはづきさん嫌だ」

2人は訳の分からない話をしていたけど、あたしは素直に嬉しかった。

最近あたしとはづきさんとひかるとあおと、4人で仲良くしてる。

それが、すごく居心地が良かった。

4人とも、それぞれが相手のことを大切にしているのが分かるんだ…。