ひかるはあたしの方を向いて、不満気な顔をする。
「は、なんだし。りほ意味わかんない」
そうだよ。あたし、意味わかんないの。
なんでこんなに胸が苦しくなるの?
6年生になったばかりのときは、ひかるのことを思ってもこんなにはならなかったのに。
なにこれ、わかんないよ──。
「…ひかるには、りほが言ってることがわかんないの!だってりほ天才だもん!」
いつものような冗談めかした言葉。
「何言ってんの、おれの方が天才だし」
そーゆーのにひかるは乗ってきてくれる。
その後も会話してたけど、頭と胸がいっぱいいっぱいで、何も入ってこなかった。
