漆黒の夕闇

「あ?あぁ。まぁな。」



まじかー。



「お前と兄弟ってなんか変なんだけど。」



「確かに、今まで何にもないのに一緒にいたからな。」



「あぁ。でも、お前と兄弟って知ったのは、結構前だぜ?」



「そうなんだ。お前はさ、俺と年が離れてるからかもだけど相談しないよな。絶対、俺には。涙も見せたことない。」



「そうかな。泣くようなことなかったからだろ。」



「まぁそうだとしても。母さんが死んだときも、なにもないように生活して、感情なんてまるで無いみたいに。無表情で、なに考えてるかわからなくて。この頃から、俺らは兄弟じゃなくてもう、他人だった。」




まぁそりゃあそうだよな。快にも、負担かけさせたくなかったし、快を見ると舞さんの面影があって、当たってしまいそうになるから。なるべく、家族としてじゃなく、他人として接していた。




「舞さんが亡くなってても亡くなってなくても、どうせいつかは他人になってたよ。同じ空間にいてもなにもないような空気的存在で、ホントに必用事項のときだけ話したりなんて、家族じゃないでしょ。快は、オレの兄貴だからって全部背負い込もうとして、バカみたいだと思った。兄弟なら頼るもんじゃないのか、それとも兄貴はもうオレのことなんか兄弟と思ってないんじゃないか。って思った。」




「……っ!違う!湊には、なにもないように、普通に育って欲しかった。母さんが居なくても俺は兄貴だからって。母さんの代わりをしなきゃいけないんじゃないかって思った。」




快のことなんてわかろうとしなかった、わかりたくなかった。そんなことわかったら、今までの自分が壊れてしまいそうで、快の気持ちと引き換えに、なくなるものがあるんじゃないかって、思ったら快のことを兄貴って呼べなくなった。




バカにみたいにがむしゃらで、自分勝手であり得ないくらいに心配性で、そんな兄貴が大好きだった。




「ねぇ、聖のこと任してもらっていい?アイツのことは、できるだけオレが解決したいんだ。」