漆黒の夕闇

「湊。もしかして、長沢に近づいたのか?」



「は?あぁ。だからなんなんだよ。」



「あいつ、男と付き合ってたのは知ってるよな?それで、噂になって、酷い別れ方したらしいよ。あくまで噂だけど。」




男と付き合ってたのは本当なんだ。




「大丈夫だよ。あいつは、あいつなりの考えをもって動いてる。だから、看護師と言う道を選んだんだろうな。いきなり、酷い現場みてそれを当たり前にしなきゃならない。覚悟がないとそんな過酷な仕事を選ばないよ。」



「まぁ。お前が言うならそうなんだろうな。」



「いろんな医者を見てきたからね。過去に何があっても、医者と言う道を選んだなら、自分で最後まで責任をとるのが本当の医者なんだとオレは思う。」



「そうだな。特に、この病院なら、裏の世界とも関わんなきゃいけねぇ。だから、それなりの覚悟を持ったやつがここに来る権利がある。」




変わってねぇな。お前を。



その考えが、昔と同じだ。




「なぁ。湊。あいつどうするつもりだ?」



「とりあえずは様子見かな。何があって何を思ってたか理解できるところまではしてやりてぇ。」



「まぁ、お前もいろんなこと見てきたもんな。そんなんでよくグレなかったよな。」




グレる時間がなかったからな。




「親があんなで、家族も死んで、────もどっか行って。寂しくなかったのか?」



「なぁ、オレとお前って兄弟なんだよな?」