___閉会式が終わって放課後。


クラブごとに片付けが始まっていた。


私が所属しているテニス部は1番最初の片付けを担当なので、終わって少し休んでいた。


そこへ片付けを終えた結乃ちゃんが来た。


「紗那〜〜!!!!ありがとう!本当にありがとう!」


結乃ちゃんは叫びながら抱きついた。


「私は何もしてないよ。結乃ちゃんが頑張っただけ。」


「ううん。紗那が勇気をくれたからだよ。」


安堵と喜びで満ちた結乃ちゃんの顔を見て、


『あぁ、私だ。単純なのは、悠梨じゃなくて私なんだ。』


と思った。……本当にバカだな。


私は何を心配していたんだろう。


話についていけず、グループから外されるんじゃないかなんて思ってた。


___でも、違った。


みんなに対して壁を作ってたのは私だ。


世津も美和ちゃんも結乃ちゃんも朱音も悠梨もみんなこんなに優しくて、こんな私を受け入れてくれる。


朱音の言う通りだ。


『悠梨は私が言いたいことを言っても、それが私らしいって認めてくれるよ。そういうのが友情じゃないの?』


そうだ。こういうのが友情だ。


私は嬉しくて、なんだか涙が出てきた。


「え?え!?どうしたの?紗那、大丈夫?」


「いや、よかったねって思って。」


「紗那〜!!!本当にいい人だね。紗那と友達になれてよかったよ!!」


嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった。


こうして今年の体育大会は終わった。