鮮やかな黄色と緑色をした船が海を泳ぐ。甲板に立つ少女は眩しそうに空を見上げる。やわらかなコットン地の白い服を着て、麦わら帽子をかぶったその姿は、一見すると避暑地に向かうお嬢様のようだ。ーー彼女の腕につながれている点滴が無ければだが。ーー


そろそろ上陸なのだろう、乗組員が準備を始めだす。そんな騒がしさをよそに、少女は見えてきた島に向かってポツリと言葉を落とした。



「ここが、、ホーリーヘルス島。」