ガラッ…ー
教室へ入ると少しずつ日が沈みかけている窓で黄昏ている人がいた。
長身で黒髪の似合う青年。間違いない。
『お、及川君!遅れちゃってごめんね』
すると及川君はこちらを振り返る。
「いや、俺も帰りのHRが今終わったとこ。」
『そーなんだ。よかったー待たせてたらどうしようかなって思ってたから。』
及川君は何故かこちらに近づいてくる。
………ポン。
「川瀬さんは心配しすぎ。俺は大丈夫だから。」
と微笑みながら私の頭を触った。
ドキン…
私は不覚にもドキドキしてしまった。
「そろそろ始めるか。」
『うん。』
私は及川君に案内されて机に座り2人で向かい合った。

