楽しみはすぐ隣(そば)に。


「まだ帰ってきてないのか。」

階段を下りてる時、玄関が開いた音がした。


ママかな?


ちょっと急ぎ目に下りると ただいま と苦笑するママがいた


「おかえり!なんか、飲む?」

「あ、大丈夫よ。ママもう寝るね」

「また仕事なの?」


そう聞くと、急に黙った。


やっぱり。


「無理しないでよ?私もバイトしてるんだし」

「っ、わ、分かってるわ」

「ご飯、冷蔵庫にあるから時間あったら食べてね」


ありがとう と苦笑しながら階段を上がっていくママ。


四人掛けのテーブルに、朝ごはんの準備をしていく。


いつか、家族みんなで朝ごはん食べた時あったな。


そー思いながら、時計をみると7:05。


うん。そろそろ来るかな。


と心で呟いたとき


ドタドタバタバタと上の方で聞こえてきた。


「ふぅ。」


テレビをつけたら、天気予報が流れていた。


雨か。傘もってこ。


「美麗《みれ》!なんで早く起こさなかったの?!」

「起こしに行ったよ?」

「あんなんで、起きるわけないじゃん!」


とほぼ毎日の会話をいいながら私の向かい側の席についた。


「今日、雨だって。」

「え、晴れだよ?」

「天気予報では雨だって。」


携帯では晴れだよ? と携帯をいじりながらパンを食べる美愛。


相変わらず、行儀わるいな。


ため息をついたら、幸せ逃げるよ と言われた。


もー、とっくに逃げてますよーだ。


朝食を食べ終えたから片付けにいく。


「美愛、今日はちゃんとお皿洗ってよ?」

「おっけ〜」


軽い返事だな〜。絶対放ったらかすよ。これ。

部屋に戻って、スクールバッグを取る。



あ、ママにも雨だって言っとかなきゃ。

適当に紙切れに今日雨だよ。"傘忘れずにね。" と書いた。鏡を見てから、部屋を出た。

ママの部屋のドアにそれをくっつけてから階段を下りていく。


「先行くね。行ってきます」

「はいはーい。」


玄関のドアを開いたとき、家の塀に誰かが寄りかかってた。


ん?あ、美愛の彼氏かな。いや、絶対そーだ。多分、山川君かな。


そのまま門を出ると、見知らぬ男の人が。


あれ、山川君じゃない。


「…誰?」

「あ俺、美愛の彼っす。霜崎悠斗」

「あ、そう。美愛ならまだ家…」


ガチャ

「悠斗ーーーーーーーーーーー!!!っ」


玄関から出てきた美愛と目がバチって合った時、一瞬睨まれた。けど、逸らされた。


「ごめんね、待たせた?」

「あ、いや今来たとこ」

「そっかじゃ行こ」


といい、霜崎君の手を握って歩き始めた。


遠回りした方がいいよね。携帯をつけて時間を確認すると全然余裕があった。


いつもの道をみると、美愛は彼氏とイチャイチャしてた。


霜崎君は、何人目の彼氏なのかな。
1週間前まで、山川君が彼氏だったのに。


最近やけに、美愛が彼氏を変える。軽く10人は付き合っていたと思う。でも、私はまだ一人もいない。告白はされるが、すべて断ってきた。


私には彼氏がいちゃダメ。って思うから。
いや、言われたような気がしたからかな?