それからというものの、アタシ達は頻繁に会うようになった。
 アタシは口下手だから、主にあなたが先導して喋ってくれる。どれも興味深くって、聞いていて楽しくて仕方がなかった。


 あなたはアタシよりも先にアタシを見つけてくれる。それが嬉しくてたまらない。


 そのうち、彼の家に招待されるようになる。兄弟はおらず、両親と三人暮らし。お父さんもお母さんも優しい人で、すぐにアタシを受け入れてくれた。


 アタシがくつろいでいると、不意打ちで抱きしめてくれる。


「大好きだよ」


 アタシにしか聞こえないような声で囁き、そのまま押し倒される。


「お前の体、温かくて柔らかくて気持ちいいな」


 アタシの体に全身を預け、恍惚の表情を浮かべる。
 それだったら、アタシも同じ。
 あなたの体は居心地がいい。あなたの匂いは心が落ち着く。


 逞しい胸に耳を当てると、あなたの鼓動が聞こえる。規則正しくて、眠気を誘う。


 このまま時が止まってしまえばいいのに、と思うほどだ。