強がりな奥様








泣きたくても笑った。

どんなに心が痛くても
母みたいに捨てられないように。


ひたすら、笑っていた。




「無理はするなよ。
泣いてもいいんだから。」



壮司と付き合う前に彼は私にそう言った。

相変わらず私は笑うことしか出来なかったけど
その言葉に救われたのは事実だった。




「俺が泣かせてやるよ。」


告白は彼からだった。
上から目線にそういった壮司が
愛しくてしょうがなかった。

不器用に包んでくれるその腕に
いつまでも包まれていたかった。



好きだ、とは言わなかったけど
彼にとって最大の愛情表現だったんだと
後で照れながら話してくれた。






愛しさだけはココにあるのに。



思い出はもうはるか遠い昔のことのように
色褪せて、私を支えてくれなくなった。