そりゃあ邪魔者がいる家になんて
好んで寄り付く訳がない。
彼なりの優しさだったのかもしれない。
私に、当たらないように。
私が、自分で察するように。
そう考えれば、全てのピースがあてはまる。
彼は優しかった。
こんな私にもとても優しくしてくれた。
人を傷つけるような言葉を
あの優しい人から聞いたことなんてなくて、
あの優しい声で言われたことなんて一度もなかった。
私のための距離だったのか、これは。
自ら手を引け、と?
ああ、私はもう必要じゃなくなってしまった?
貴方の隣で笑う綺麗な女の人との未来を
もう既に描いてるのだろうか。
ジュエリーショップってそういうことだよね。
そっか、そうだったか。
そう、だったんだ。