「え?」
この質問は一体何回目なんだろう。
私たちの目の前まできた私の親友、尾崎さやかちゃんが言った。
「凛、蕪木(あき)くんのこと好きだよね?」
「うん」
「まあそれはわかる。問題は蕪木くんのほうだけど、彼、朝からひとっっことも喋ってないけど、それ気づいてる?」
「もちろん、気づいてるよ」
「なんなのよ、その関係は!!」
はっきりうなずく私に、体をのけぞり頭をかきむしり始めるさやかちゃん。
この子はどこまでも反応がオーバーだ。
「恋人同士としてあるまじき光景ッ、凛が一生懸命話しかけてんのに蕪木は返事はおろか相槌もところどころしかしないなんて!それはもう人としてアレよ、無礼よ!!」