少しして、三人が乗った車は井上のアパートの前に停まる。

「ありがとう。」

えみは自分の荷物を持って、車のドアを開ける。

「えみ、大丈夫?」

あずさは心配そうにえみに声を掛ける。

「うん。大丈夫!あず、関谷くんありがとう。」

えみは、迷いのない顔で何かを決心したように車から降りた。

そして、井上の部屋へと向かった。