二人はアパートの近くの公園へと向かう。

その公園は中央に噴水があり、それを囲むようにベンチが並んだシンプルな公園である。

夜は噴水を照らすライトが色を変えて光り、雰囲気の良い公園になる。

二人はベンチに座り、コンビニで買ったアイスを大谷がえみに渡す。

ご飯を食べているときの明るい感じとは違い、大谷は静かにアイスを食べ始める。

「アイス美味しいですか?」

大谷の顔を覗き込むようにしてえみが尋ねる。

「美味しいよ。」

大谷は落ち着いたトーンで答える。

そしてアイスを食べ終えた大谷が話し始めた。

「えみちゃん、さっき電話で言った話したいことなんだけど」

「はい。」

大谷の声と妙な間のせいで、えみは一気に緊張する。

「急にこんなこと言われても困るかもしれないんだけど。」

「はい。」

大谷は、いつになく真剣な表情をしている。

大谷に見つめられて、えみの胸はドキドキと音を立ててなり始める。

ドキドキ…

ドキドキ…