30分程勉強してから、えみは近くのコーヒーショップにコーヒーを買いに行くことにした。

コーヒーショップは、大学がある建物のすぐ向かいにある。

コーヒーショップに着き、ブレンドコーヒーを注文した。

コーヒーを受け取り、えみは一瞬止まる。

光輝と付き合っていたころ、えみはいつも背伸びをしていた。

コーヒーの飲み方もその一つである。

光輝はいつも、ブラックコーヒーを飲んでいたから、えみも真似してブラックコーヒーを飲んでいた。

でも、本当は、砂糖とミルクをたっぷり入れて飲むのが好きだったのだ。

店の中で少し考えたが、結局、砂糖とミルクをたっぷり入れて飲むことに決めた。

久しぶりに飲む甘くてクリーミーなコーヒーは、妙に切なく、じんわりと体中に染み渡っていった。

それはまるで、光輝に出会う前の自分に戻っていくような感覚だった。