「じゃあ、今年もみんな参加だな。」


先輩の声はやけに張り切って楽しそうだった。


怖いの嫌だな…トイレに行けなくなったらどうしよう…


そんな事を考えつつも、時間は無情にやってきてしまった。


しかも雰囲気づくりのためか部屋の電気は消され、テーブルの真ん中に置かれていたのは小さなガラスケースに入れられたキャンドル。


それ自体は可愛いのに、今は恐怖心を煽る最高の演出をしているのが憎い。


リビングでみんなでテーブルを囲むように輪になった。


私の右隣にはめぐが座り、左隣には無愛想男が座った…


しかも、彼が座った時に床についた手が、私の指先にわずかに触れた。


驚いて思わずパッと手を引いてしまった事で彼が私に謝った。


「あ…悪りぃ。」


「…いえ、大丈夫です。」


過剰に反応してしまった自分が恥ずかしい。指先がジンジンと熱かった。