彼の笑顔に出逢いたい

「…はぁ〜……」


車に乗った瞬間、盛大なため息が出た。


運転席や助手席の窓とは違って、後部座席の窓には色が入っているからか確かに外から中はほとんど見えない。


そうだとは分かっていても、一応身を屈めて濡れた服を脱ぎブラを外していく。


空気にさらされた素肌が心もとなくて、近くに彼がいるのだと思ったらなぜか胸の辺りがきゅっと縮んだ。


隣に止められた車に、いつ持ち主が戻ってくるかも分からない。


急いで新しい衣服を身につけながら、よく分からない自分の感情に蓋をした。


着替えを多めに持ってきてよかった。


一泊二日だけど、何があるか分からないから予備に多めに入れておいたのだ。