彼の笑顔に出逢いたい

今思うと完全な不審者だと思う。


久々にそんな過去の自分を思い出したら、思わず苦笑いがこぼれた。


「…何ニヤニヤしてんの、お前?」


遠隔操作で “ ピピッ ” とドアを開ける音がしたのと、無愛想男の不審がるそんな声が聞こえてきたのは、ほぼ同時だった。


私…ニヤついてた?うわーどうしよう…恥かしすぎる!


一番見られたくないみっともない顔を見られた!と自覚した瞬間、また顔の温度が急激に上昇していく。


それを誤魔化す為に思わず掴んだタオルで両頬を隠しながら「顔のストレッチ運動してたんですよ。」とわけの分からない苦しい言い訳をしてしまった。


「……………」


言い訳が苦しかったのは重々分かってるから、もう許して…と思わずギュッと目を瞑る。