彼の笑顔に出逢いたい

背中の方が濡れ具合が酷くてそっちにばかり気を取られていたけど、なぜか胸元にも冷たさを感じたのだ。


視線をそのまま下におろし、自分の胸のあたりを見てみる。


…………!!


無愛想男が不自然に目をそらした理由が今ハッキリと分かった。


彼が「見えてる」と言ったのは、ブラジャーの事だったのだ。


背中ほど酷くはなかったが、ちょうど左胸の一部分が濡れてキャミソールの下のブラジャーまでが薄っすらと透けていた。


着ていたブラウスとキャミが白だったから、ピンクのブラジャーが余計に際立って見えていた。


無愛想男はこっちを見ないように顔を背けてくれていたけど、恥ずかしくなった私は慌てて手で胸元を隠す。


「あ…す、すみません。お見苦しいものを…」