彼の笑顔に出逢いたい

「ここ何気に危ないから。」

「はい、気をつけます!」


一気に顔に体中の血液が回っているんじゃないかっていうくらい、顔が熱かった。


男の人の胸板があんなに硬いなんて…知らなかった。


無愛想男なんて細く見えるのに、背中に感じた彼の体は意外と筋肉質だった。


支えてくれた彼の腕も…まだ両腕に彼に掴まれた感触が残っていた。


彼は、いつの間にか私の手から落ちていた釣り竿を拾い上げ、ついでに私が釣ったヤマメも針から取ってくれた。


水の張った小さなバケツに魚を入れると、パシャッと小さく水が跳ねた。


男の人の体は、当たり前だけど、私や他のよく知っている女性のものとは全然違っていた。


まくった袖から見えた血管の浮いた腕に、もの凄く異性を感じた瞬間だった。