そのとき、釣り竿を一気にひきあげた事で体のバランスを崩した私はそのまま後ろに倒れそうになった。
やばっ…
そう思っても、足場の悪い石の上で手に釣り竿を握ったまま後ろに傾いていく自分の体を止めようがなかった。
一瞬の出来事なのに、めぐと片桐先輩が大きく見開いた目でこっちを見ているのがスローモーションの様によく見えた。
お尻をゴロゴロした地面の石コロで強打することを覚悟したその時、誰かの声が聞こえ、その誰かの体にストンッと受け止められた。
「危ねぇ…」
え…?と思い、そのままの体勢で顔だけを斜め後ろに向けると、すぐそばに見えたその顔は無愛想男の顔だった。
慌てて飛び跳ねる様にして、後ろから受け止めてくれていた無愛想男の胸から体を離す。
「お前さぁ…気をつけろよ。」
また、お前呼ばわり。でも助けてくれた…
「あ、ありがとうございましたっ!」
ドキドキしている胸を手でおさえながら、頭をさげた。
やばっ…
そう思っても、足場の悪い石の上で手に釣り竿を握ったまま後ろに傾いていく自分の体を止めようがなかった。
一瞬の出来事なのに、めぐと片桐先輩が大きく見開いた目でこっちを見ているのがスローモーションの様によく見えた。
お尻をゴロゴロした地面の石コロで強打することを覚悟したその時、誰かの声が聞こえ、その誰かの体にストンッと受け止められた。
「危ねぇ…」
え…?と思い、そのままの体勢で顔だけを斜め後ろに向けると、すぐそばに見えたその顔は無愛想男の顔だった。
慌てて飛び跳ねる様にして、後ろから受け止めてくれていた無愛想男の胸から体を離す。
「お前さぁ…気をつけろよ。」
また、お前呼ばわり。でも助けてくれた…
「あ、ありがとうございましたっ!」
ドキドキしている胸を手でおさえながら、頭をさげた。

