「あんたさ……さっきから俺の後つけてんの?」
そう言われて…はぁぁ?
と最大限反発する声が出そうになった。
えっ…と、いま聞こえた言葉は聞き間違いか何か?
“ 一緒にランチをした仲 ”とはとてもじゃないけど言えないほど、彼とはあの後も一言も言葉を交わしていないし、どちらかというと相席しただけの人と言った方がいいかもしれない。
そんな人の後を、なぜ私が?
「…いえ、あの」
違いますけど。
そう言おうとしてるのに、完全に私をそういう人だと決めつけている無愛想男は、聞く耳も持たず最後まで否定もさせてくれない。
「ていうか、迷惑なんだよ。お前みたいに友達に頼んでまで俺に会おうとしてくる奴は!」
「え…と、あの…」
「なに?」
元々の無愛想に加え、不機嫌度が増し増しになっているのは不愛想男の眉間のシワと声からも伝わる。
だけど、彼の言っている意味が私には理解出来なかった。
一つだけ確かな事は、彼が私をストーカーか何かだと勘違いしている自意識過剰な勘違い野郎だという事。

