「今日も聴いてる?」
また来た。
学校のある5日間のうち、2日は声をかけてくれる。運が良ければ3日。
毎日会いたくて彼に合わせて家を出る時間を遅くしたり早めたりするけどどうも気が合わないのだ。
「うん。聴いてるよ」
「何聴いてるの?」
今度は可愛い声。
今日は彼女さんも、、か。
「えっとね、この曲」
彼によく似た笑顔を持つ彼女さんにイヤホンを渡す。
「待って、俺も聴く。片方貸して」
「いいかな?」
可愛い彼女さんに私はただただ頷く。
「ありがとう。ちょっとあんまり引っ張らないでよ」
「ハハッ。ごめんごめん。っていうか、くっついてよ」
私のイヤホンで2人が聴いてる。
本当にお似合いで本当に…羨ましい。