「熊の肉かー。私も全然食べてないな。前食べたのは1年前位だな。よし!行こうかな。皆には言ったのか?」

「うん、父さんが皆にもお裾分けするって!僕の家族では食べきれないから!」

そう言って、カインはニッと笑った。

「そうか。じゃあ、今晩家にいく。」

「うん。待ってるね‼」

二人は手を降りなから元の方向に戻っていった。
私は、そんな二人を見ながら手をふりかえした。

今日も穏やかでいいな。はっきり言って私は、名だけの長だと思っている。ここは人口密度が少ない。それ故に、コロニー形成も出来上がっている。外部の人間が来ることはほぼない。たまに、山賊が来るくらい。だが、男衆がすぐに追い払ってくるから、特に問題ない。こんなに穏やかなら長などいらない。しかし、もしもの事があったとき長がいなければならないのだろう。