わたしは相川のジャージのすそをいつの間にか強く握りしめていた。

離したら相川も消えて行ってしまうようで怖かった。


「なにがあったか知らねーけど、いつでも俺に頼れよ。」


相川は静かに言った。


「無理してしゃべんな。」


相川が体を離そうとしたから、わたしは慌ててもっと強く相川に抱きついた。


「ぅうー…ひっく…っ。」

行かないで。

離れないでっ!

だけどそれも言葉にならない。


「…しゅ…っ…」


「ん?」