白石さんはゆっくりとわたしの隣に並んだ。

「わたしね、高一の春に、彼氏ができたの。人生初の彼氏。」

「うん。」

「だけどその人は、ひどい束縛の人でね、暴力は振るうは暴言は吐くわで、わたし、トラウマになっちゃったの。」

「…うん。」

「だから別れを切り出した。だけど別れてからも、ストーカーみたいな行為をやめなくて、わたし、正直怖くて生きていけないと思った。」

「うん。」

わかるよ。

怖いよね。

わたしも、同じような経験をしてきたよ。