君の瞳にわたしが映っても(完)


「修二、わたし、修二のおかげでここまでこれた。あと少しだけ、守ってよ?」

「俺、怖いんだよ。俺がいねーと不安になるようなやつになってほしくない。わかるか?」

「でも、まだあと少し…!」

「ごめんって。もう一年経った。あいつは引っ越したんだろ?」


あいつって…誰?


「引っ越した…けど!また、戻ってくるかも…!」

「アメリカ。そうやすやすと戻ってこねーよ。」

「ねえ…修二っ…っ。」


白石さんが…泣き始めた。


「ごめんな、柚。」

「だめっ…っ。」

「俺、好きな人がいるんだ。」




えっ。




え…?




どいうこと…相川?




白石さんと付き合ってたけど、途中で好きな人ができたってこと…?





ははっ…どっちにしろ、勝ち目ないじゃん、わたし。





乾いた笑みが浮かぶ。