君の瞳にわたしが映っても(完)


相川の泣いた顔が好きなんて嘘。

やっぱり笑った顔が一番だよ。

「で、相川の好きな奴は?」

こいつは…何を聞いてんの。

彼女…いるじゃん。

「…柚。」

相川…今の間…なに?

「ヒュー、かあわいい!神の恋愛とか!!!」

サルがわいわい喜んでいる。だけど、どこか気遣わしげな視線を感じるのは、きっと初めて会った日、わたしが彼女じゃないと言った時の雰囲気のせいだと思う。

きっとこのチビにも…ばれてんだろうなあ…なんてぼんやりと思う。

でもだったらなんでこんなところで恋話しようと思うんだろう?

私の気持ち、バラしたいとか…まさかね。

あと、

「うっせえ。」

白石さんのことで照れる相川は、嫌いだ。