「修二…」 「お前がどんだけ怖い思いをしたのか想像するだけで、俺、死にそうなくらい辛い。」 わたしは無意識に胸元をさすった。 それを見て、修二は少し眉をひそめた。 「お前、怪我してんの、頰だけだよな?」 声のトーンがガラリと変わる。 「そ…そうだけど…」 「手えどけてみろ。」 「…え?や、ちょ…」 わたしが抵抗する間もなく、修二はわたしの握っていたジャケットを取り上げた。 「っ…!」 修二の顔はみるみるうちに暗くなった。