君の瞳にわたしが映っても(完)


修二の瞳はわたしを探るように見つめている。


わたしは浅く息を吸った。


「いろいろと…あったから…修二のいない間。」


修二の表情が曇った。


「兄ちゃんが…大変で…」


そう言うと、修二が思い出したように言った。


「今日、お前が休んだのは風邪かと思ってた。だけど、夜あたりに、お前の兄ちゃんからメールが来たんだよ。お前を頼むって。」

「えっ?」

兄ちゃん…から?

「いきなりで俺びっくりしてさ、不安になったんだよ。お前に何かあったんじゃねーかって。そしたら…このありさまだよ。」

夜あたりってことは…

「…ってくれた時だ。」

「え?」

震える声で絞り出す、「兄ちゃんが…守ってくれた時だ。」


修二の目が見開いた。


「今日、兄ちゃんが助けてくれたから…わたしは…助かった。もしあの時、来てくれなかったら…っ」


体が震える。