わたしは横たわったまま、相川が駆け寄ってくるのを滲む視界で見つ
めた。


来てくれた。


わたしのために、来てくれたんだ。



「っ…しゅう…じい。」



か細い声で彼の名を呼んでみる。


ああ、修二だ。



修二なんだ。



そう思うと嬉しくて、また別の涙が溢れてくる。



「玲っ…」



修二は顔を歪めてわたしの隣に片膝をついて屈み込んだ。



そしてまるで割れ物を扱うように、



そっと、優しく頭の下に腕を入れて、



包み込むように抱きしめてくれた。



その抱きしめる腕が震えているのを感じて、胸の奥がじんわりと温かくなった。