部活はサッカー部マネージャー。

部員たちが帰ったあと、部室の掃除をしてから帰るのが私の日課だ。

部室の鍵を閉めて職員室まで鍵を返しに行く。

そして、私は嬉しさで顔を緩めながら祐也センセーの車に乗り込んだ。

「お待たせしました」

「大丈夫待ってない」

デートの待ち合わせみたいな会話をしてから、車が走り出す。

仕事終わりの祐也センセーは、髪のセットが少し崩れていて、ネクタイも緩めているから、いつもよりかっこいい。

「最近不審者多いからな、気を付けろよ?」

「はい」

「宇佐美は、友達いるのか?」

不意の質問に、私はぎゅっと拳を握った。

センセーに心配かけるわけにはいかない。

「いますよ」

「ならよかった。でも……」

運転しながら、センセーがまた私の頭をポンポンする。

「なんかあったら、すぐ言えよ」

センセーって言う職業は大変なはずなのに、私のことを一番に考えてくれて、やっぱり、好きだ。

「私センセー好きですよ」

そっぽ向いていった。

「あぁ。俺も宇佐美好きだぞ」

ちゃんと伝えてくれるところも好き。

センセーが好きすぎて、おかしくなりそう。

「宇佐美ついたぞ」

「ありがとうございました」

「気を付けてな」

家まで歩いて数秒なのに、家にはいるまでセンセーは私のことを見守ってくれていた。