帰りのホームルームで、センセーは、いつも時間を余らせるため、その時間を自由時間として私たちに与えてくれる。

「ねぇ祐也くん!」

クラスメイトが、てをあげた。

「先生だろ!どうした?」

「祐也くん彼女いるの?」

ドキッ!

センセーは何て答えるんだろう?

もしもこれで付き合ってることがばれたりしたら……。

「まぁ。いますよ」

「まじかぁ!!」

ヒューヒューと男子がからかい、女子もセンセーの彼女を想像してこそこそ話を始めている。

「うるさいぞ!」

センセーは、ほんのり顔を赤らめながら皆を制した。

素晴らしいタイミングでチャイムが鳴る。

「それじゃあ解散」

「さよならー」

皆バラバラに帰っていく。

「さようなら」

生徒として声をかけて一番最後に教室をでようとすると、センセーが私を呼び止めた。

「宇佐美。お前帰り何時になる?」

「七時半頃です」

「……おそいな。部活終わったら家まで送ってく」

「え!いいですよそんな!」

嬉しいけど、そんなことして付き合ってることがばれかねない。

「大丈夫だ、任せとけ!」

でも先生がいつものように笑うから、私の方がおれてしまった。