「宇佐美ってかわいいよな」

「ん?」

隣の席で、去年から仲のいい男の子、加藤くん。

「可愛くないよ~」

「いや、ふわふわの茶色の癖毛の髪に、真っ白い肌!足が長くて背も高い。スタイル抜群だし、なんたっておしとやかで優雅だし」

軽くセクハラ入ってるぞーと誰かが加藤くんをからかった。

真っ赤な顔をしてそっぽ向いてしまう彼。

「でも拓真の言うことはよくわかるわ」
「宇佐美さん可愛いもんね」
「高嶺の花!って感じだよな」
「「どうかん」」

「そ、そんなことないって~」

私はモテる部類にはいるのだとよく言われる。

たまたま、お金持ちの家に生まれて、育ちがよかっただけなんだけど。

「もし、宇佐美と祐也くんが付き合ったら、よくね?」
「「あー!確かに!」」

「え?!」

そこで祐也センセーの名前が出てくると思ってなかった。

「お似合いだよな」
「祐也くんかっこいいし、宇佐美可愛いし」

よかった、ばれてない。

安心したとき、思いっきり机をたたくおとが聞こえた。

加藤くんが、不機嫌そうに睨んでくる。

「バカいえ、先生と生徒だぞ?だめに決まってる!なぁ宇佐美」

「え、そうだね」

やっぱり、世間体はよくないか。

でも、好きになっちゃったのは仕方がない。

そんなとき、クスクスと笑い声が聞こえてくる。

「うわー。また男子とだけ話してる」
「女子に友達いないからでしょ?」
「宇佐美性格悪いもんね、やだやだ」

まあ、こんなんで、女子の友達はできたことがない。

でも別に気にしない。

私には、センセーがいるから。