それから先生とは話さなくなって一か月がたった。私が図書委員を始めるようになって、よく図書室を利用してくれる同じクラスの子と仲良くなった。その子は陸上部のエースでとても明るくてクラスの人気者だった。その子のおかげでクラスにも居場所ができ、友達もたくさんできた。そして、先生とのこともあり私は当番の曜日以外は図書室に行かなくなった。今週は月曜日が祝日でお休みだったから、一週間ぶりの図書室だった。
図書室の扉を開けると大好きなにおいと先生の顔が浮かんでくる。まだ先生のことを思うと胸は痛いけど忘れなきゃいけない。私がこのまま好きでいたら先生は困るし、先生は初めから私のことなんて好きじゃなくて、先生だから私に優しかったんだ。そう思ったら余計胸が苦しくなった。でもこんなに悲しいのにそれでも先生に会いたい。そう思ってしまう。
~ガラガラ~
扉が開く音がしてとっさに見てしまって、先生じゃないことにがっかりする。
「ねえ、いまがっかりしなかった?」
そういいながらその子は私の隣に座った。ふいに先生と楽しそうに話していたところを思い出してしまい、「別に」とだけ言って目をそらした。
「てかさ、あんたえらいよね。ちゃんと図書委員の仕事してさ。私、図書委員って仕事少なそうだし楽そうって思ってたの。それにほら、田口先生かっこよくて面白いからいっかなーって。それなのに仕事は多くてめんどくさいし、田口先生は仕事しろしろうるさいし。この間なんて、田口先生に呼び出されてノリノリで職員室言ったら浅川いつも1人で仕事やってて大変だしかわいそうだから手伝ってやれってさ。先生がやれば?って言ったら俺じゃ先生だから友達になってやれないしって、なにあんたたち付き合ってるの?」ってその子は笑った。
「私何もわかってなかった・・・!先生に避けられて勝手に落ち込んで、先生の気持ちも知ろうとしないで一人で怒ってばかみたい。」
「なんだかわかんないけど、先生のとこ行って来たら?」
「でも・・・」
「あ、委員の仕事?私やっとくって。今までやらせっぱなしだったしね。いいよ、いってきな。」
「ごめんね、ありがとう!」
そういって私は先生のとこまで走った。先生が私に冷たいとかそんなのどうでもよかった。今は先生に会いたくて会いたくてたまらなかった。廊下を走るな~といろんな先生に注意されたけど今はそんなことどうでもよかった。先生に会いたかった。職員室の前をあるっている先生を見つけた。
「先生ー!!!!!!!」
と呼ぶと驚きながら振り返った。そして私が話したいことがあるのというと、一瞬困った顔をした後で空き教室に連れて行ってくれた。
教室に入ると早速先生が「話って何?俺この後用事あるし早く済ませたいんだけど。」って言ってきた。でも逃げない。今まで失うことばかり考えて人と向き合うことから逃げてきた。でもそれじゃダメって先生が教えてくれたんだ。そして先生のおかげでまた友達を作ることができた。だからちゃんと先生と向き合って自分の気持ちを伝えるんだ。拒絶されてもいい。私が先生を好きな気持ちはもう止められない