次の日先生は図書室に来なかった。その次の日もその次の日も、いつもサボってこない図書委員の子たちはちゃんと来てたのに先生は来なかった。
あの日から先生に会えなくなり自分の気持ちに気づいてしまった。
「私先生のこと好きなんだ・・・」
それと同時にとても胸が苦しくなった。私と先生は教師と生徒だし、年も離れている。叶うわけないじゃん。今まで人とかかわることを避けてきた私にとって先生は初めて好きになった人だった。こんな私のことを必要としてくれて、私にいつも笑顔をくれて、優しくしてくれた。この間私が泣いてしまった時も優しくしてくれて、しかも、もっと私のことを知りたいと言ってくれた。もしかしたら先生も私のこと好きになってくれるんじゃないのかと思った。たまらなく先生に会いたくなって私は職員室に向かって走った。職員室の扉を開けると、先生がいつも図書委員の仕事をさぼっている女の子と話しているのが見えた。その時、私は今まで感じたことのない胸の痛みを感じた。その女の子は先生の服を引っ張りながら先生に話しかけている。先生も笑いながら何か言っている。それを見た私は自然と泣いてしまっていた。職員室から出ようとしていた先生に「お?どうした。調子でも悪いのか?」と話しかけられ我にかえり私は走って図書室に駆け込んだ。その日は何となく帰りたくなくて放課後になっても図書室にいた。すると扉が開いて先生がのぞきながら
「もう暗くなるから帰れよ」と一言だけ言って行ってしまった。その時の先生の顔は今まで見たこともないほど冷たかった。先生にとって私は迷惑なのだと悟った。