「それで、隙ができてどうなったの?」



「あー、そうだった。そこで良子先生は、馬乗りになったんだ。ところが、泥棒は懐に……懐に……呑んでいたんだ。」



「胃の薬?」



「違う、違う。そうじゃなくて……あ! オレの女がさー。」



「まーた始まった。」



「夜中にラインでさー、『私桂さんのことが好き好き大好き』って。」



「それはもう訊いたわよ!」



「続きがあるんだよ。で、その後に『愛してる!』の文字と一緒に口にちゅってしてるパンダのスタンプが……『愛してる!』に口にちゅっ。あいくち……そう! 匕首だ!」