「漢字が違うじゃないの!」



「いいんだよ。出てくれば。で、体を交わして、そこに……そこに……できるんだよ……えっと……何だっけ……。」



「何ができるのよ?」



「えっと……あ! オレの女がさ……。」



「またできたの?」



「そ、そうじゃなくて、女が夜中によくラインを送って来るんだよ。『桂さん、私桂さんのことが好き好き大好き!』って……そうだ! 隙だ! 隙ができたんだ!」



「……なんで隙って言葉を出すのに、あんたの惚気話を聞かされなきゃいけないのよ。」



「しょうがないじゃねえか。あの2文字は言いたくても言えない人が、世の中には大勢いるんだよ。」