花子さんを出汁に、宣伝しまくったところ、今日の売り上げは普段の3倍にもなった。 「花子さんのおかげよ! ありがと……あれ、どうしたの? ヘトヘトじゃない?」 花子さんが肩で呼吸をしている。こんな姿、あまりお目にかかれない。 「まあ、明日からもよろしくね。あ、いい? 出てくる時に寒気させちゃいけないわよ? びっくりするから……あれ?」 気が付くと、花子さんはいなくなっていた。 「花子さんって、意外と足が速いのね……浮いてると速くなるのかしら。」