短・いつかこの丘で抱きしめて




この人とどうこうなりたいとか、そんなことは望まない。



人気俳優と、一般女子高生。

立場が違いすぎる。


こうして2人で会えること自体が奇跡だもの。



これから先もずっとこの場所で会える可能性は低いかもしれない。

それでも………勇利が会ってくれるというのなら、例えこの想いが叶わなくても、私は会いたい。



「ねぇ、愛那」



さっきまで空を見上げていた勇利。

優しい口調で私を呼び、真っ直ぐと見つめてきた。



ただそれだけなのに………胸の奥が、熱くなる。



「なに?」



あなたの目に私はどうやって映ってる?

あなたの頭の中を覗けるなら覗いてみたい。

毎日なにに触れ、なにを感じ、なにを想うか………あなたの全てが知りたい。



どうこうなりたいわけじゃないとか言っておきながら、本当のところは欲深い自分がいる。

それを見て見ぬ振りをして、あざとく勇利の近くにいようとしてる。

………そんな自分がいるなんて、今まで知らなかった。