「撮影の休憩中に散歩してたらさぁ、たまたま可愛い女の子が通りかかったから、興味本位で追いかけた。そしたら、この丘にたどり着いた」
「それって………」
「うん、愛那のこと」
サラッと可愛いなんて言うもんだから、恋愛経験のない私は照れる間も無く、ただただ勇利の目を見ることができなかった。
「ん?どうしたの?」
「な、なにが?」
「いや、急に俯くから。具合でも悪い?」
ベンチに座る2人の距離が縮まる。
そっと手を伸ばしてきた勇利は、私の前髪を上げて顔を覗き込んできた。
近い近い近い………っ‼︎‼︎
あまりの近さに、心臓が爆発しそう。
たくさんの女の子たちと共演してきたからなのか、勇利は基本一緒にいるとき距離が近い。
………こんなドキドキさせられっぱなしで、好きにならないはずがない。



