短・いつかこの丘で抱きしめて





勇利は立ち上がり、その場から離れた。



「誤解されたくないんだったらこれから離れて話すよ」

「えっ⁈いや、そういうことじゃなくて………」

「俺は恋人と思われても気にしないよ」

「………え?」

「この先そういう関係になりたいって思ってるから」



突然の発表に、思考停止中。



徐々に距離を縮めて来る勇利。

あまりにも眼差しが真剣だから、私も目をそらすことができない。



「ごめん、急にびっくりしたよね。でもね、これからもっと愛那を知って、愛那には俺のことをもっと知ってもらいたいと思うんだ」

「……」

「愛那?」

「私も、勇利のことたくさん知りたい。だって、好きだから……」



口から自然とこぼれた”好き”の二文字。



頭の中でごちゃごちゃたくさん考えるけど、結局整理なんかつかなくて………溢れた想いが勝手に暴走してしまった。



そっと繋がれた手から初めて体温を感じ、それと同時に………勇利を愛おしく思った。



「次、いつ会おうか」



次会った日、またはその次に会ったときか………私たちが恋人になる日まで、この愛おしさを大事にして、日々を過ごしていきたいと思った。



そしていつか………この丘で抱きしめて、と心の中で願った。



end
2017.08.20

読んでくださり
ありがとうございました☆