「ど、どうしたの、西条くん…忘れ物?」



「うん、携帯忘れちゃってさ。…日誌、書いてるの?」




「う、うんっ…、今日日直だったから。」





そういえばそうだったね、と無邪気に笑いながら自分の机の中から携帯を取り出した西条くんが私に近づく。





「…3時限目、英語だよ。」




「え…?」




「3時限目、英語。…続き書かないの?」




私の書きかけの日誌を覗き込んで、言われた言葉に「…書く!書きます!」とだけ返事をすると笑われてしまった。





…ああ、もうなんか本当恥ずかしい。





西条くんを前にするとどうしても上手く喋れないのに…、ましてや2人きりなんて。