放課後の教室に1人。






教室の窓際の席で日直の仕事の1つである学級日誌を書いていると、






爽やかな透明の夏の風が、私の髪を掬って靡かせる。






お気に入りの白くて細いシャーペンを一回コト、と机に置いた。






「もう夏だなぁ…」





そんな呟きも静かな空間に馴染んで消えてって。






早く書いちゃおう、ともう一度日誌と向き合ったところで、






「……あ、篠宮さん。」






君が駆け足で教室に入って来たから、思わず目を見開いてしまう。